大腸カメラの有用性
こんばんは。あけぼの橋内科・内視鏡内科院長の大久保です。
このブログ、一部のファンがおりまして(といってもみんな身内ですが 笑)更新をしております。
今回は少しだけその方たちには向けずに、学術的なお話もしていきましょう。
日本では大腸カメラを受ける理由として「健診で便潜血が陽性だったから」というケースが多いように思われます。
もちろん、健康意識の高い方は人間ドックでオプションとして受けられることもありますが、そういう方々はごく一部です。
では、便潜血健診はどの程度有用なのか?というのが今回の論点です。
便潜血健診は「進行大腸がんであればほとんど引っかかる」これは確かなことです。
便潜血とは腸の中もしくは肛門部の出血を拾う検査としては適しています。
つまり
「出血してなければ?」
……
そうです、出血していない病変は拾えないのです。
大腸ポリープは小さくてもがんになっているものが少なからず存在します。
私も総合病院に勤務して万を超える数で大腸カメラを施行し、先輩・同僚・後輩の検査を見てきました。
その中でも、5㎜程度で内視鏡治療では取れないような大腸がんも経験してきました。
その病変が「出血するか?」と聞かれれば、「出血しないかもしれない」と思っております(ここは少しだけ個人の感想が入ってしまい申し訳ございません)。
つまり、何が言いたいかというと、便潜血で拾われた病変は少なからず「手術しなければいけない段階」で見つかることがあり、下手をするともっと進んだ状態(抗がん剤治療やそれ以上)で見つかることもあるのです。
便潜血で見つかるのは少し遅いかもしれません。
すごくざっくりとした話になりますが、海外では「40代で一度、体に異常がなくても大腸カメラをやりましょう。その結果、保険料を安くします」というキャンペーンを行ったところ、それに参加した群の大腸がんによる死亡者数が減ったというデータが出ています。
つまり、「何らかの異常が出たから大腸カメラをやる」のではなく、「ひとまず予防のために大腸カメラをやってみる」という姿勢が実はとても大事なのです。
少し今日のお話は長くなってしまいましたので、この続きはまた次の機会にしていきますね。