父を思い出す週末
2025.11.10
11月8日、物件の内装がほぼ終わり、無事に引き渡しを受けました。
いよいよ「場」が整い、現実味がぐっと増してきた瞬間でした。
この週末は、椅子が届いては組み立て、机が届いては組み立て、
PCをセッティングしては設定を整え…。
ひたすら設備面の準備に追われる2日間でした。
けれど、そんな作業のひとつひとつが、案外嫌いではなくて。
むしろ、どこか懐かしく、楽しさすら感じていたのです。
思い出したのは、幼い頃のこと。
父は建築が好きで、毎週のように日曜大工をしていました。
時にはPCの自作にも夢中になっていて、
私はといえば、そんな父の傍らで、目を輝かせながら
のこぎりで角材を切ったり、工具を手に取ったりしていました。
パパっ子だった私は、父のすることすべてが格好よく見えて、
一緒に何かを作る時間が、何よりも嬉しかったのです。
父は、私が研修医のころに胃がんで他界しました。
でも、もし今も元気でいてくれたら、
この週末の作業も、きっと楽しそうに手伝ってくれたんじゃないかな。
そんなことを、ふと考えていました。
日曜日には、妻と娘たちも病院を見に来てくれました。
妻は「ちょっとちょっと、すごくない!?こんなにかっこいいんだ!
クリニックの中では広い方だよね!?」と終始、驚嘆していて、
9歳と5歳の娘たちははしゃぎまわりながら、
「ここがレントゲン撮るところなの!こっちで、パパは診察して!」と、
模擬診察がすでに始まっていました。
出来上がったばかりの病院の空間を見渡しながら、
「親父にもこの立派な病院を見せたかったなぁ」と、少しだけ思うのでした。