川口医師(糖尿病・甲状腺外来)の診療は金曜日の9:30~12:00までとなります。
甲状腺・内分泌内科とは
甲状腺・内分泌内科は、「ホルモンの異常によって起こる病気」を専門に診断・治療する診療科です。ホルモンは体の中で情報を伝える大切な物質で、代謝や体温、心拍、気持ちの安定など、さまざまな働きを調整しています。
これらのホルモンは、甲状腺や副腎、下垂体、卵巣・精巣、膵臓など、体の多くの臓器から分泌されています。
内分泌の病気の中でも、特に甲状腺の病気は患者数が多く、日本では500〜700万人ほどいると推定されています。しかし、実際に治療を受けているのはごく一部で、病気に気付かずに過ごしている方も多くいらっしゃいます。
甲状腺の病気は、疲れやすさ、むくみ、冷え、ほてり、イライラ、動悸、睡眠の質の低下など、ストレスや体調不良でも起こりやすい症状と似ているため、「年齢のせい」「気持ちの問題」と思い込み、見逃されやすいことが特徴です。また、血液検査で診断できるものの、一般的な健康診断の項目に含まれていないことが多く、発見が遅れる要因にもなっています。
甲状腺の病気は、適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。
「健康診断では異常がなかったのに不調が続く」「原因がわからない体調の変化がある」という方は、当院までご相談ください。
甲状腺とは
甲状腺は、のどぼとけのすぐ下に位置する、蝶が羽を広げたような形の臓器です。私たちが食べ物から摂り入れたヨウ素を使って「甲状腺ホルモン」を作り、そのホルモンを血液に送り出しています。
甲状腺ホルモンは全身をめぐり、体の代謝を活発にしたり、成長や発育を助けたりする大切な役割を担っています。
健康診断で「甲状腺が腫れている」と言われた方へ
健康診断や人間ドックで、視診・触診の際に「甲状腺が腫れている(甲状腺腫大)」と指摘されることがあります。日本では 500〜700万人 が甲状腺の病気を持っているとされているため、決して珍しい疾患ではありません。
当院では、まず視診・触診・問診を行い、その後必要に応じて血液検査や超音波検査を行い、甲状腺の状態を詳細に確認します。
甲状腺にみられる結節(しこり)は、多くが良性 です。エコー検査で、ある程度「良性・悪性」の判断をつけることができます。
しかし、結節が良性であっても、甲状腺が腫れている場合は ホルモンの分泌異常を伴うことがあるため、血液検査で状態を確認することが大切です。
甲状腺の病気は、疲れやすさ・むくみ・動悸など、日常の不調と似た症状を引き起こしますが、治療すれば改善が期待できる疾患 です。
健康診断で甲状腺の腫れを指摘された際は、どうぞお早めにご相談ください。
甲状腺のよくある疾患
甲状腺機能亢進症
甲状腺のホルモンが過剰な状態が続く疾患です。
- バセドウ病
- 無痛性甲状腺炎
- 亜急性甲状腺炎 など
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足している状態が続く疾患です。
- 橋本病(慢性甲状腺炎)
- 粘液水腫
- 手術後甲状腺機能低下症
- アイトソープ治療後 など
結節性甲状腺腫
甲状腺に腫瘍ができた状態で、良性・悪性、機能性・非機能性があります。
良性
- 腺腫様甲状腺種
- 濾胞腺腫
- のう胞 など
悪性
- 良性甲状腺癌(濾胞癌・乳頭癌・髄様癌・未分化癌)
- 悪性リンパ腫 など
機能性
- 腺腫がホルモンを生成し、甲状腺機能亢進症を示す病気
- 甲状腺機能性結節 (プランマー病) など
甲状腺の検査
血液検査
血液を採取し、甲状腺ホルモンの状態を調べる基本的な検査です。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)と FT3・FT4(甲状腺ホルモン)を同時に測定し、ホルモンが多すぎる/少なすぎるなどの異常がないかを確認します。
甲状腺の病気の多くは、体の免疫が甲状腺を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。
そのため、抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体 など、甲状腺に対する抗体を調べることで、病気の原因をより詳しく知ることができます。
超音波(エコー)検査
甲状腺に超音波を当てて内部の様子を確認する検査です。
甲状腺ホルモンの異常がある場合、甲状腺の大きさや形に変化がみられることがあります。
エコー検査では次の点を詳しく確認します。
- 甲状腺の大きさ・形の変化
- 腫瘍(結節)の有無
- 腫瘍の内部構造(良性か悪性かを推測する判断材料)
甲状腺の治療について
慢性甲状腺炎(橋本病)
橋本病は、甲状腺に慢性的な炎症が起こる病気です。初期は甲状腺ホルモンに異常がないため、症状が出ないこともありますが、進行すると甲状腺ホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」を引き起こし、疲れやすさやむくみなどの症状が現れます。
治療は、不足しているホルモンを補う薬を内服することで症状を改善できます。
定期的な検査で状態を確認しながら薬を続ければ、普段通りの生活を送ることができ、妊娠・出産・授乳にも影響はありません。
バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される代表的な病気です。治療の基本は抗甲状腺薬の内服ですが、薬が適さない場合は 放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療) や、腫瘍がある場合には手術を検討することがあります。
甲状腺腫瘍(良性腫瘍・がん)
甲状腺の腫瘍は、ほとんどが良性の腺腫様甲状腺腫ですが、まれに甲状腺がんがあります。
甲状腺がんは予後が良く、治療によって高い確率で治すことができます。
がんが確認された場合は、基本的に手術で治療を行います。
バセドウ病や甲状腺腫瘍の治療では、放射性ヨード治療や手術が必要になる場合があります。当院では、内分泌内科・内分泌外科の専門医と連携し、患者様がスムーズに最適な治療を受けられるよう、高度医療機関をご紹介しています。